<メッセージ> |
●主が心を動かされる |
主なる神様は人の心を動かされます。 |
主に心動かされた者は行動します。 |
それは出来事となっていきます。 |
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主はペルシア王キュロスの心を動かされました。 |
バビロンに捕囚となっていた人達の心を動かされました。 |
私達の心も動かされます。 |
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●状況 |
紀元前539年のことです。 |
ペルシア王キュロスが布告を出しました。 |
そこには |
「あなたたちの中で主の民に属する者はだれでも、エルサレムにいますイスラ |
エルの神、主の神殿を建てるために、ユダのエルサレムに上って行くがよい。」 |
と書かれていました。 |
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50年前、ユダ国の人々は、国破れ捕囚となってバビロンに連れてこられたの |
でした。 |
捕虜ですから自分の好き勝手に国に帰っていくことは出来ません。 |
自分達ではどうすることも出来ない状況に置かれたまま、生きていました。 |
これからどうなっていくのか、先のことは全くわかりません。 |
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50年が過ぎる頃、バビロンにペルシア王キュロスが攻めてきました。 |
バビロニア帝国は戦いを交えることも出来ずに、ペルシアに占領されました。 |
捕囚となっていたユダヤ人達もそのままペルシアの支配下に移されたのでした。 |
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●キュロスの布告 |
その年に事は起こったのです。 |
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「あなたたちの中で主の民に属する者はだれでも、エルサレムにいますイスラ |
エルの神、主の神殿を建てるために、ユダのエルサレムに上って行くがよい。」 |
エルサレムに帰ることが許されました。 |
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王様が命令しているのです。 |
正々堂々と帰って行くことが出来ます。 |
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捕囚となっていた人々はどんなに嬉しかったことでしょうか。 |
誰もが心躍ったことでしょう。 |
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●帰れない |
喜んで「それ!」と全員がエルサレムに向かったでしょうか。 |
そうではありませんでした。 |
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気持としてはすぐにでも帰りたいです。 |
けれどそれを実行することは大変なことです。 |
50年の間にバビロンで築き上げた暮らしがあります。 |
その暮らしに始末をつけることは勇気のいることです。 |
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バビロンで生まれてバビロンが故郷になっている人達も大勢います。 |
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帰りたいけれど、健康がすぐれなかったり、年をとっていてそれが出来ない人 |
達もいました。 |
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●心動かされた者 |
そのような多くの人達の中に、神様によって心動かされた人達がいたのです。 |
ユダとベニヤミンの家長、祭司、レビ人達です。 |
「真っ先に私達が帰る。」 |
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祭司は礼拝を司る人です。 |
レビ人は神殿に仕える人達です。 |
レビ人だけに神殿の祭具などに触れることが許されていました。 |
そして各家を代表する人達、 |
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この人達は神殿を建てるために必要な人達です。 |
神様は必要な人達の心を動かされたのでした。 |
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彼らは主の神殿を建てるためにエルサレムに向かいました。 |
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●人を用いて |
主なる神様は主のわざを人を用いて進められます。 |
超自然的な出来事を起こして進められるのではないのです。 |
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主は人の心を動かされます。 |
行動する勇気を与えられます。 |
その人は行動します。 |
出来事が起ってきます。 |
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そのようにして主は主のわざを進められるのです。 |
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●心が動く |
心が動くというのは、感情の高まりとは違います。 |
自分が思い立つことでもありません。 |
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心が動かされるということは、感情の赴くままに行動する、自分の思いのまま |
に行動する、ということではありません。 |
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自分の思いは自分の思いであって、神様に心動かされてはいません。 |
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感情の赴くままに燃えて何かをしても長続きしません。 |
感情はすぐにさめるのです。 |
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自分の気持はこうだ、と思っている自分の心が、主によって動かされるのです。 |
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そのことに関心が無い、目を向けることもない、心の片隅にもなかった事柄へ |
と心動かされます。 |
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わたしには関係ない、わたしは出来ない、無理、わたしはしたくない、と尻込み |
するわたしの背中を神様が押されます。 |
神様がわたしの心を動かされるのです。 |
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そのようにされて、わたしはここまで歩んできたのでした。 |
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●随意の献げ物 |
エルサレムに向かった人達だけが主によって心動かされた者なのではありま |
せん。 |
バビロンに残る人達の心も主は動かされました。 |
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キュロスは |
「すべての残りの者には、どこに寄留している者にも、その所の人々は銀、金、 |
家財、家畜、エルサレムの神殿への随意の献げ物を持たせるようにせよ。」 |
と布告しました。 |
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随意の献げ物というのは、自分の自由意志で、ということです。 |
税金のように取り立てられるのではありません。 |
権力者が無理矢理奪うのでもありません。 |
神様に心動かされて献げるのです。 |
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「周囲の人々は皆、あらゆる随意の献げ物のほかに、銀と金の器、家財、家畜、 |
高価な贈り物をもって彼らを支援した。」 |
と記されています。 |
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人々は皆、主によって心動かされたのでした。 |
それは随意の献げ物以上を献げる出来事になっていきました。 |
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●キュロスも |
主が心を動かされたのは、イスラエルを導いてこられた主なる神を信じている |
人達だけではありません。 |
ペルシア王キュロスの心も動かされたのです。 |
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キュロスはユダヤ人のエルサレム帰還を許しました。 |
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キュロスの布告にはこのように記されています。 |
「ペルシアの王キュロスはこう言う。天にいます神、主は、地上のすべての国を |
わたしに賜った。この主がユダのエルサレムに御自分の神殿を建てることをわ |
たしに命じられた。」 |
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この言葉を読むと、私達はキュロスがイスラエルの主なる神を信じるようになっ |
て、それで主が主の神殿を建てるようにキュロスに命じられた、と思います。 |
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けれどそうではないのです。 |
キュロス自身がイスラエルの神を信じたわけではありません。 |
キュロスの言葉は、政策上の言葉なのです。 |
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●政策 |
ペルシアは多くの国々を占領し広大な地域を支配下に置きました。 |
そこに住んでいる人達はそれぞれに宗教や生活習慣を持っているわけです。 |
広い地域を支配するためには、住民の反感を買わないことが得策です。 |
それで、キュロスは占領した国々の宗教や文化を尊重する政策をとったので |
した。 |
バビロンにいたユダヤ人達の宗教に対しても寛大でした。 |
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ユダヤ人の宗教に対して寛大であり好意的であったことには、さらなる理由が |
あったのかもしれません。 |
エルサレムがあるパレスチナ地方はペルシアにとって重要な地域でした。 |
ギリシャに遠征するにも、エジプトを支配するにも、パレスチナを通らなければ |
なりません。 |
この地が安定していること、住民の心をつかんでいることは軍事的に価値の |
あることだったのです。 |
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キュロスの布告を聞いたユダヤ人達は、はじめ、キュロスこそ待ち望んでいた |
メシアだと思いました。 |
けれどやがて、そうではないことがわかりました。 |
キュロスはバビロンの神マルドゥクを日々拝んだのでした。 |
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●主は用いられる |
キュロス自身は自分の支配力を保つことしか考えていません。 |
神殿建設の許可はあくまでも領土を治めるための手段です。 |
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そうであっても、主はそれを用いられるのです。 |
主のわざを実現するために用いられるのです。 |
キュロスが私利私欲でしたことでも主は用いられます。 |
このことを、「主がキュロスの心を動かされた」と言い表しています。 |
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●主は働いておられる |
人間の歴史は、人間の思惑、駆け引き、策略によって進められてきました。 |
今のこの時代も、国々の権力者達が策略を巡らし駆け引きを行なって世界を |
動かそうとしていることが、よくわかります。 |
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けれど、そのような中にも主が働いておられることを、私達は知るのです。 |
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神様は、神を信じる者だけに働く神ではありません。 |
すべての人々に働かれる神様です。 |
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私達の周りに起こる出来事はほとんどが主なる神を信じて起こっている出来事 |
ではありません。 |
人がそれぞれの思惑の中で行なっています。 |
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けれど、その人が神を信じていなくても、主はその人をも用いておられるのです。 |
私達はすべての出来事の中に主のわざを見るのです。 |
自分にとって良いことでないと思えても、その出来事はやがてああそうだったの |
か、と思える出来事になります。 |
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●心が動かされる |
心が動かされる、ということは本当に不思議なことです。 |
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自分でその気になったのではありません。 |
主から強いられたのでもありません。 |
主がわたしの心を動かしてくださるのです。 |
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私達が「イエスは主」と信じたのも、主が心を動かしてくださったからです。 |
私達は主によって心動かされて「イエスは主」と告白しました。 |
その時、わたしがイエス・キリストを信じる者になる、という出来事が起こりまし |
た。 |
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そこに、信じる者達の群れが出来ました。 |
教会が出来ました。 |
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主は私達の心を動かされます。 |
主が動かされたのですから、その先も主がしてくださいます。 |
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私達は主に心動かされて立ち上がります。 |
神様の出来事が起こります。 |
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●結語 |
今日主は私達一人一人に語りかけておられます。 |
心を動かそうとされています。 |
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主はあなたに何と言われていますか。 |
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私達は主に心動かされた者達です。 |
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