| <メッセージ> |
| ●今の状態 |
| 「王の心も民の心も、森の木々が風に揺れ動くように動揺した。」 |
| まさに今、日本中の人々が陥っている心の状態です。 |
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| その中で私達はけさ、主の言葉を聞いています。 |
| 「 落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない。」 |
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| 主は私達に言われているのです。 |
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| ●これまで見てきたこと |
| 礼拝で月に2度旧約聖書を読み進めています。 |
| イースターや教会総会などがあって、しばらく旧約から遠ざかっていましたが、 |
| 今日は再び旧約聖書のイザヤ書に戻って、イザヤ書から主の言葉を聞いて |
| いきます。 |
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| これまで、北イスラエルがアッシリアによって滅ぼされるところまでを見てきま |
| した。 |
| そこから時代を戻して、北イスラエルと南ユダに分裂したもう一方の国南ユダ |
| 国の辿ってきた歴史を見てきました。 |
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| 南ユダの王の位は、ウジヤからその子ヨタム、ヨタムからその子アハズに受け |
| 継がれていきました。 |
| 今日の箇所に出てくるのは、このアハズです。 |
| さらにアハズからその子ヒゼキヤへと王の位が受け継がれていきます。 |
| ヒゼキヤの時代に北イスラエルはアッシリヤによって滅ぼされたのでした。 |
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| ウジアからヒゼキヤまでの時代に南ユダに預言者として立たされたのがイザ |
| ヤです。 |
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| ●シリア・エフライム戦争 |
| アハズが王の時のことです。 |
| アラムの王レツィンとイスラエルの王ペカが、同盟を結んでエルサレムに攻め |
| てきました。 |
| イスラエルはエフライムとも呼ばれています。 |
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| この頃、アッシリアが勢力を広げてきていました。 |
| アラムとエフライムは同盟を結んで、アッシリアに対抗しようとしたのです。 |
| そして南ユダも同盟に加わるように求めました。 |
| しかしアハズ王は拒否しました。 |
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| そこでアラムと北イスラエルの同盟軍が攻めてきてエルサレムを包囲したの |
| です。 |
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| 恐ろしいです。 |
| どうすればいいのか。 |
| 王の心も民の心も、森の木々が風に揺れ動くように動揺しました。 |
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| ●イザヤ |
| 激しく動揺している民に、主はイザヤを遣わされます。 |
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| 「息子のシェアル・ヤシュブを連れて行きなさい」と主は言われます。 |
| シェアル・ヤシュブという名前は「残りの者は帰るであろう」という意味です。 |
| ユダ国の将来を示す名前です。 |
| ここには希望があります。 |
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| イザヤは主の言葉をアハズ王に告げました。 |
| 「落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない。」 |
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| アラムを率いるレツィンと北イスラエルを率いるペカが激しく襲ってくる。 |
| アハズを倒しタベアルの子を王にしようと謀っている。 |
| けれどそれは実現せず、成就しない、と主は言われるのです。 |
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| 「心を弱くしてはならない。」「信じなければ、あなたがたは確かにされない。」 |
| と主は言われます。 |
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| ●アハズ |
| イザヤが告げる主の言葉を信じて、アハズは落ち着いて、静かにしていること |
| が出来たでしょうか。 |
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| アハズは王です。 |
| 何もしないで座っていることは許されません。 |
| 国を守るために、王は決断し行動しなければなりません。 |
| 国民に語りかけ、人々の不安を収めなければなりません。 |
| それが王の職務です。 |
| 物事を決断できず、おろおろしているようでは、王は務まりません。 |
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| アハズは有能な王であったようです。 |
| アラムと北イスラエルが同盟に加わるようにと迫ってきた時、アハズは加わら |
| ないと、決断しました。 |
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| 今、アラムと北イスラエルの連合軍がエルサレムを包囲しています。 |
| アハズ王は布さらしの野に至る大通りに沿う、上貯水池からの水路の外れに |
| 居ました。 |
| 一番怖いのは水路が断たれることです。 |
| 水がなくなれば、降伏するしかありません。 |
| それで水路を見回っていたのでしょう。 |
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| ●何もしないことではない |
| 落ち着いて、静かにしているということは、何もしないことではありません。 |
| 世の出来事に目を塞ぎ耳をふさいで知らないでいて良い、ということではあり |
| ません。 |
| すべては神様がしてくださるからと、自分は何もしないで寝そべっていることで |
| もありません。 |
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| 今起こっていることをしっかりと見つめるのです。 |
| たくさんの情報があります。 |
| 人々は色々なことを言います。 |
| その中で本当のことを見つけ出す、冷静にことを見極めるのです。 |
| その上で神様に信頼する時、落ち着いて静かにしていられます。 |
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| 国の危機に直面して懸命に策を練っているアハズに必要なことは、主を信じ、 |
| 落ち着いて静かにしていることでした。 |
| そうすれば正しい判断をすることが出来るでしょう。 |
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| ●しるしを求めよ |
| 主はアハズ王に言われます。 |
| 10節です。 |
| 「主なるあなたの神に、しるしを求めよ。深く陰府の方に、あるいは高く天の方 |
| に。」 |
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| この主の言葉に対し、アハズは言います。 |
| 「わたしは求めない。主を試すようなことはしない。」 |
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| この言葉はとても信仰的に聞こえます。 |
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| イエス様は荒野で悪魔から誘惑を受けられた時、「『あなたの神である主を試 |
| してはならない』とも書いてある」と言われて悪魔の試みを退けられました。 |
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| 私達は主を試すようなことをしてはならないのです。 |
| 本当に神様はおられるのだろうか、本当に神様は助けてくださるだろうかと、 |
| 神様を試す心で神様に何かをお願いするならば、神様はその願いを決して |
| 叶えてはくださらないでしょう。 |
|
| 「わたしは求めない。主を試すようなことはしない。」 |
| とても信仰的に聞こえる言葉です。 |
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| ●主の言葉に従うこと |
| ところがイザヤは言うのです。 |
| 「あなたたちは人間に、もどかしい思いをさせるだけでは足りず、わたしの神に |
| も、もどかしい思いをさせるのか。」 |
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| 神様は |
| 「主なるあなたの神に、しるしを求めよ。」 |
| と言われているのです。 |
| それなのに |
| 「わたしは求めない。」 |
| と言うのは主に逆らうことです。 |
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| 信じるということはどこまでも主の言葉に従うことです。 |
| 主が「しるしを求めなさい」と言われるなら、しるしを求めることが、主の言葉に |
| 従うことです。 |
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| 聖書の言葉を表面的に受け取ってはなりません。 |
| 主が何を言っておられるか、主の言葉をしっかりと聞くことが何より大切です。 |
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| ●信じない |
| 「わたしは求めない。主を試すようなことはしない。」 |
| とアハズ王が言ったのは、主に従うつもりがなかったからです。 |
| アハズ王はもうどうするか自分で決めていました。 |
| アッシリアに助けを求めることにしていたのです。 |
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| 「信じなければ、あなたがたは確かにされない。」 |
| と主は言われました。 |
| けれどもアハズは主に信頼することをしませんでした。 |
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| こののち、アハズが願ったとおり、アッシリアはアラムと北イスラエルを滅ぼし |
| ます。 |
| しかし南ユダ国もアッシリアの属国にされてしまったのでした。 |
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| ●私達のこと |
| 今日の聖書に記されていることは、私達自身のことです。 |
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| 今、私達は戦争になるのではないかという不安と恐れを感じています。 |
| 世界の指導者達が、それぞれ自分達の思惑で世を動かそうとしています。 |
| その中で私達の心は、森の木々が風に揺れ動くように動揺しています。 |
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| 世界情勢だけではありません。 |
| 私達の身近に起る出来事によっても、私達の心は森の木々が風に揺れ動くよ |
| うに動揺するのです。 |
| 何事もなく、穏やかに順調に事が運んでいる時は、安心した気持でいられます。 |
| でもほんの小さな事でも、私達の心は動揺するのです。 |
| 不安でたまらなくなります。 |
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| 私達は主の言葉を聞く必要があります。 |
| 主は言われます |
| 「 落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない。」 |
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| でもどうして落ち着いて、静かにしていられるでしょうか。 |
| どうして恐れずにいられるでしょうか。 |
| なんとかしなければならないのです。 |
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| ●主自らしるしを |
| 森の木々が風に揺れ動くように動揺したアハズ王は、自分の判断で行動しまし |
| た。 |
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| 主の言葉が確かなことをしるしをもって示してくださろうとする主の手を払いの |
| けました。 |
| 「わたしはしるしを求めない」 |
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| イザヤは言います。 |
| 7:14 「それゆえ、わたしの主が御自ら、あなたたちにしるしを与えられる。見よ、 |
| おとめが身ごもって、男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ。」 |
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| 人は主を受け入れようとしません。 |
| それでも主はご自分から一方的にしるしを与えられるのです。 |
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| ●インマヌエル |
| マタイによる福音書は記しています。 |
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| マリアの夫ヨセフに天使が告げたのでした。 |
| 1:21 「マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自 |
| 分の民を罪から救うからである。」 |
| 1:22 このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていた |
| ことが実現するためであった。 |
| 1:23 「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼 |
| ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。」 |
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| 主イエス・キリストこそインマヌエル、神様が自ら与えてくださった救いです。 |
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| ●イエス・キリスト |
| 旧約聖書は、神様に従うことが出来ない人間の姿を、これでもかこれでもかと |
| 描いていきます。 |
| けれども旧約聖書は、神様がご自分から一方的に救いを与えてくださることを、 |
| 遙か先に見ています。 |
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| 神様に背く歩みしかできない人間の歴史の中に、イエス・キリストは来られま |
| した。 |
| すべての人々のすべての罪を負って十字架につき、罪の贖いを成し遂げてく |
| ださいました。 |
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| 復活された主イエス・キリストはインマヌエル・いつも私達と共にいてくださいま |
| す。 |
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| ●結語 |
| 私達は相変わらず、少しのことにも動揺し、森の木々が風に揺れ動くように心 |
| が揺れ動いてしまう者です。 |
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| あなたが、わたしが動揺し恐れ不安にとりつかれている時、イエス様の声が |
| 聞こえてきます。 |
| 「大丈夫、恐れることはない。落ち着いて、静かにしていなさい。」 |
| 私達はその声に包まれ支えられて生きているのです。 |
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| イエス様はいつも私達と共にいてくださり、言い続けてくださっています。 |
| 「落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない。」 |
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