<メッセージ> |
●すべての人は問われている |
「イエスは何者なのか」 |
イエス様が生まれられて以降2000年にわたって、すべての人々に問いかけ |
られている問いです。 |
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すべての人々はこの問いに答えます。 |
「イエスは神の子メシアだ」と言うか、否と言うか、答えは2つに1つです。 |
すべての人々は、言葉によって、あるいは生き様を通して答えています。 |
あなたは、イエスを何者と言うでしょうか。 |
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●大祭司の屋敷へ |
ゲッセマネの園で捕らえられたイエス様は、大祭司の屋敷に連れてこられまし |
た。 |
祭司長、長老、律法学者たちが皆、集まって来ました。 |
この人達は、イエス様を捕えることを計った首謀者達です。 |
そしてこの人達は最高法院のメンバーです。 |
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最高法院・サンへドリンは、70人の議員と大祭司の計71人で構成されていて、 |
大祭司が議長になります。 |
伝承された律法の解釈と適応、戦争と講和の決断、世俗と宗教の両面に渡る |
裁判を行なう権限がありました。 |
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議会は通常は神殿の境内にある建物で行なわれていました。 |
ですから大祭司の屋敷で行なわれたこの時の裁判は、正式なものではなかっ |
たのかもしれません。 |
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結論はもう決まっていました。 |
イエス様を死刑にするのです。 |
正当な理由をつけて正当な手続きで殺すのです。 |
そのための証言を求めました。 |
多くの人達が証言しましたが、その証言は食い違っていて、イエス様を死刑に |
する決め手になるような証言は得られませんでした。 |
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●大祭司 |
ついに議長である大祭司が立ち上がりました。 |
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イエス様を問い詰めます。 |
「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなの |
か。」 |
けれどもイエス様は黙り続け何もお答えになりませんでした。 |
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そこで大祭司は重ねて尋ねます。 |
「お前はほむべき方の子、メシアなのか」 |
イエス様が言われます。 |
「そうです。あなたたちは、人の子が全能の神の右に座り、天の雲に囲まれて |
来るのを見る。」 |
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●死刑 |
この言葉がイエス様を死刑にする決め手になりました。 |
サンへドリンの人々は、イエス様が神様を冒涜していると、決めつけたのです。 |
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神を冒涜する者は死刑です。 |
レビ記には |
24:15 「 神を冒涜する者はだれでも、その罪を負う。 |
主の御名を呪う者は死刑に処せられる。共同体全体が彼を石で打ち殺す。神 |
の御名を呪うならば、寄留する者も土地に生まれた者も同じく、死刑に処せら |
れる。」 |
と定められています。 |
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●殺すべき |
祭司長、長老、律法学者たちは、自分達は正しいことをしていると思っていま |
した。 |
彼らはこれまでイエス様のなさること、言われることを見てきたのです。 |
イエス様の言動は、彼らが正しいと思っていることから大きくはずれていました。 |
イエス様に対する疑いが強まり、ついに殺すべきだと思うようになったのです。 |
それが正しいことだと思うようになりました。 |
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●マルコを辿る |
私達はマルコによる福音書を読み進めてきました。 |
祭司長、長老、律法学者、そしてファリサイ派の人々がイエス様に対して不信 |
を抱いていく様を見て来ました。 |
思い出してみましょう。 |
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イエス様は安息日に会堂に入って教えられました。 |
1:22 「人々はその教えに非常に驚いた。律法学者のようにではなく、権威あ |
る者としてお教えになったからである。」 |
とあります。 |
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イエス様が、4人の男達に運ばれてきた中風の人に「子よ、あなたの罪は赦さ |
れる」と言われた時、律法学者は思いました。 |
2:7 「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒涜している。神おひ |
とりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」 |
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イエス様が多くの徴税人や罪人と食事をされている時、ファリサイ派の律法学 |
者が言いました。 |
2:16 「どうして彼は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」 |
断食をしていない弟子達を見て人々が言いました。 |
2:18 「ヨハネの弟子たちとファリサイ派の弟子たちは断食しているのに、なぜ、 |
あなたの弟子たちは断食しないのですか。」 |
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弟子達が安息日に、歩きながら麦の穂を摘んだ時、ファリサイ派の人々が言い |
ました。 |
2:23 「なぜ、彼らは安息日にしてはならないことをするのか」 |
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イエス様は安息日に片手の萎えた人を癒されて、 |
3:4 「安息日に律法で許されているのは、善を行うことか、悪を行うことか。命 |
を救うことか、殺すことか。」 |
と言われました。 |
ファリサイ派の人々は出て行き、早速、ヘロデ派の人々と一緒に、どのようにし |
てイエスを殺そうかと相談し始めたのでした。 |
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エルサレムから下って来た律法学者たちは言いました。 |
3:22 「あの男はベルゼブルに取りつかれている」「悪霊の頭の力で悪霊を追 |
い出している」 |
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弟子たちが洗わない手で食事をするのを見て、ファリサイ派の人々と律法学者 |
たちが言いました。 |
7:5 「なぜ、あなたの弟子たちは昔の人の言い伝えに従って歩まず、汚れた |
手で食事をするのですか。」 |
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8:11 ファリサイ派の人々が来て、イエス様を試そうとして、天からのしるしを |
求め、議論をしかけました。 |
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10:2 ファリサイ派の人々が「夫が妻を離縁することは、律法に適っているで |
しょうか」と尋ねたのはイエス様を試すためでした。 |
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イエス様は神殿で売り買いしていた人々を追い出されました。 |
11:18 「 祭司長たちや律法学者たちはこれを聞いて、イエスをどのようにし |
て殺そうかと謀った。群衆が皆その教えに打たれていたので、彼らはイエスを |
恐れたからである。」 |
と記されています。 |
イエス様が神殿の境内を歩いておられると、祭司長、律法学者、長老たちが |
やって来て、言いました。 |
11:28 「何の権威で、このようなことをしているのか。だれが、そうする権威を |
与えたのか。」 |
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言葉じりをとらえて陥れようと、ファリサイ派やヘロデ派の人達が言いました。 |
12:14 「皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていな |
いでしょうか。納めるべきでしょうか、納めてはならないのでしょうか。」 |
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またイエス様が律法学者について言っておられる箇所もあります。 |
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神殿の境内で教えておられたとき、言われました。 |
「どうして律法学者たちは、『メシアはダビデの子だ』と言うのか。 |
12:36 ダビデ自身が聖霊を受けて言っている。『主は、わたしの主にお告げ |
に なった。 |
「わたしの右の座に着きなさい。わたしがあなたの敵を、あなたの足もとに屈 |
服させるときまで」と。』 |
12:37 このようにダビデ自身がメシアを主と呼んでいるのに、どうしてメシア |
がダビデの子なのか。」 |
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またイエス様は言われました。 |
「律法学者に気をつけなさい。彼らは、長い衣をまとって歩き回ることや、広場で |
挨拶されること、 |
12:39 会堂では上席、宴会では上座に座ることを望み、 |
12:40 また、やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。このよう |
な者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。」 |
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こんなたくさんに書かれていたかと思います。 |
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●壊される |
自分達がこれまで大切にしてきたこと、生きる規範としてきたものが壊されるこ |
とは、耐えがたいことです。 |
自分の生きている基盤が壊されるのですからたまりません。 |
自分が否定されたように感じます。 |
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けれども、これまでこれが確かだ、これが正しいことだと思って規範としてきて |
いたものが人を生かすものでなかったとしたら、その規範は壊されなければ |
なりません。 |
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イエス様は壊されます。 |
人々を縛り付けていたものを取り払い、人々を生かすためにイエス様は来られ |
たのでした。 |
そのなさり様は、人とは全く違いました。 |
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●メシア |
イエス様を死刑にするための証言を得ることができなかった大祭司は、直接 |
イエス様を正します。 |
イエス様に「お前はほむべき方の子、メシアなのか」と言いました。 |
メシアはギリシャ語に訳すとキリストです。 |
この箇所も「クリストス」と書かれています。 |
新共同訳では、固有名詞として使われる時は、イエス・キリストと訳し、メシアの |
意味の時はクリストスをメシアと訳しています。 |
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大祭司がどのような意味でメシアという言葉を使ったのかは良くわかりません。 |
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しかし当時のユダヤ人達が期待していたのは、地上の王としてのメシアでした。 |
メシアは「油注がれた者」という意味です。 |
旧約聖書においては、祭司、預言者、王に油が注がれました。 |
ですからメシアと言った時、3通りの人物のイメージがあったのです。 |
この3通りのメシアが1人のメシアの期待に変わっていきました。 |
主に王としてのメシアのイメージが強くなっていき、ダビデのような王がダビデ |
の子孫から現われ、世を治め、公平と正義を行ない、イスラエルの救いを得さ |
せる、という期待になっていきました。 |
人々は政治的な王国を打ち立てるメシアを待ち望んでいたのです。 |
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イエス様は「お前はほむべき方の子、メシアなのか」 |
という問いに対して、 |
「そうです」と言われました。 |
「そうです」という日本語訳はあまりに弱い訳し方です。 |
エゴー・エイミ 英語では I am |
「わたしがそうだ」 |
「わたしが神の子メシアだ」と宣言されたのです。 |
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●人の子 |
そして |
「人の子が全能の神の右に座り、天の雲に囲まれて来るのを見る。」 |
と言われました。 |
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「人の子」という言葉は神であることを表わしています。 |
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ダニエル書にはこう記されています。 |
7:13 「 夜の幻をなお見ていると、見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り |
「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み |
7:14 権威、威光、王権を受けた。諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え |
彼の支配はとこしえに続き、その統治は滅びることがない。」 |
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「日の老いたる者」とは神様のことです。 |
人の子が「日の老いたる者」から権威、威光、王権を受けとるのです。 |
人の子が神となるのです。 |
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イエス様は |
「人の子が全能の神の右に座り、天の雲に囲まれて来るのを見る。」 |
と言われることによって、ご自身が終末に来るメシア、人々を罪から救うメシア |
であることを言い表されたのでした。 |
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地上の王としてのメシアなら、捕えて罰を加えることはあっても、殺すほどのこ |
とではなかったでしょう。 |
けれども、イエス様は神である言われました。 |
大祭司は衣を引き裂き、 |
「神を冒涜している」と叫ぶのです。 |
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●あなたはメシア |
イエス様は何者でしょうか。 |
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あなたはイエス様を何と言いますか。 |
「神を冒涜している」と言いますか。 |
「神の子メシアです」と言いますか。 |
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●ペトロ |
一番最初に「あなたはメシアです」と告白したのは、ペトロです。 |
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けれども、イエス様が必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たち |
から排斥されて殺され、三日の後に復活することになっている、と言われた時、 |
ペトロはイエス様をわきへお連れして、いさめたのでした。 |
イエス様はペトロを叱って言われました。 |
「サタン、引き下がれ。あなたは神のことを思わず、人間のことを思っている。」 |
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このペトロが今遠く離れてイエス様に従い、大祭司の屋敷の中庭まで入ってき |
ています。 |
そしてまもなく、イエス様を3度知らないと言うことになるのです。 |
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ペトロが本当にイエス様はメシアだ、と分ったのは、イエス様が十字架にかかっ |
て死なれ、復活されてからでした。 |
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●神の救いの計画 |
イエス様は黙って人の裁きを受け、十字架に向かわれます。 |
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祭司長、長老、律法学者達、大祭司、ペトロ、イエス様に唾を吐きかけ、目隠し |
をしてこぶしで殴りつけ、「言い当ててみろ」と言う人達、 |
イエス様を平手で打つ下役たち、 |
彼等のなしたすべてのことを用いて、神様の救いの御計画が進められていきま |
す。 |
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神様はこの人達をも救ってくださいます。 |
イエス様はすべての人々を救うために十字架に死なれたのです。 |
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●まことのメシア |
十字架に死なれ復活されたイエス様こそ、まことのメシア・救い主であられます。 |
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イエス様はすべての人々の罪を贖うために十字架にかかられました。 |
すべての人々が、「イエス様はメシア、わたしを救ってくださった」と告白する日 |
が来るでしょう。 |
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●私達 |
私達は今日、地上で生きられたイエス様の姿を追いました。 |
「わたしがそうです」と言われるイエス様の言葉を聞きました。 |
私達は、イエス様が十字架にかかり、私達を罪から解放してくださったことを |
知っています。 |
復活されたことも知っています。 |
そして「人の子が全能の神の右に座り、天の雲に囲まれて来るのを見る。」 |
という約束も頂いています。 |
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●結語 |
私達は告白します。 |
「イエスはキリスト・メシア、わたしの救い主です。」 |
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