| <メッセージ> |
| ●民全体に |
| けさ私たちは天使が告げる言葉を聞いています。 |
| 「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。」 |
|
| 民全体に与えられる、すべての人々に与えられる喜び、が告げられています。 |
|
| 今ここにいる私達だけに与えられている喜びではありません。 |
| キリストを信じている人達だけに与えられている喜びでもありません。 |
| キリストを知らない人達にも、 |
| キリストを信じない人達にも、 |
| キリストを否定し、信じる者達を迫害する人達にも与えられている喜びなので |
| す。 |
|
| すべての人達に与えられている喜びとは、キリストがすべての人々を救ってく |
| ださる、ということです。 |
|
| ●人となられたキリスト |
| この喜びの出来事は、クリスマスの夜に始まりました。 |
|
| 天使は言います、 |
| 「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方 |
| こそ主メシアである。」 |
|
| 救い主が人の子となって、生れられたのです。 |
| 「人」となられた救い主。 |
| 私達、そしてすべての人々を救ってくださる救い主は、私達と全く同じ「人」に |
| なられました。 |
|
| ●ヘブル5:7〜 |
| ヘブライ人への手紙にはこう記されています。 |
| 「キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流し |
| ながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ |
| 敬う態度のゆえに聞き入れられました。キリストは御子であるにもかかわらず、 |
| 多くの苦しみによって従順を学ばれました。」 |
| |
| この世に生きていると、たくさんの悲しみや苦しみに出会います。 |
| 私達は叫び声を上げ、涙を流しながら生きているのです。 |
| その苦しみ、悲しみを、キリストご自身が味わってくださいました。 |
|
| ●世の苦しみ |
| この世の中は本当にたくさんの苦しみ、悲しみで満ちています。 |
|
| 突然の事故や事件で我が子を失った親、親を失った子供。 |
| 自然災害で我が子を失った親、親を失った子供、夫を失った妻、妻を失った |
| 夫、友達を失った子供たち。 |
|
| ●東日本大震災 |
| 12月12日の朝日新聞の記事に胸を打たれました。 |
| 東日本大震災の日、東松島市に住む当時高校1年生だった長女はおじい |
| ちゃんとおばあちゃんを連れて小学校へ逃げました。 |
| 小学校4年生だった次女も体育館で合流しました。 |
| そこに津波が襲いました。 |
| 舞台に上がろうと長女はおばあちゃんの手を引き、足の悪いおじいちゃんが |
| その後に続きました。 |
| その時誰かが大声で言いました。 |
| 「若い人が先だ」 |
| おばあちゃんは長女とつないだ手を自ら緩めました。「わたしは十分生きたか |
| ら」 |
| 長女と次女が舞台に上がった直後、体育館には洗濯機のような渦が出来ま |
| した。 |
| そのなかにおじいちゃんとおばあちゃんがいました。 |
| 水は舞台の上にまで来て、長女は片手でどんちょうをつかみ、もう片方の手 |
| で流されそうな次女の服をつかみ続けました。 |
| 姉妹は助かり、おじいちゃんとおばあちゃんは亡くなりました。 |
|
| 東松島の野蒜小学校の体育館。 |
|
| 松島に行った時、私は車でその学校の前を通りました。 |
| 案内をしてくださっていた武田さんが言いました。 |
| 武田さんの奥さんは津波に巻き込まれ今も行方不明です。 |
| 「あの体育館にはたくさんの人達が避難してきていました。 |
| そこにも津波が来たのです。 たくさんの人達が亡くなりました。」 |
|
| ああ、あそこで・・・ |
| 記事が語る出来事を目の前に見ている思いでした。 |
| |
| ●ご自分のものとされるイエス |
| つらい悲しい思いをしてきた人達が、たくさん、たくさんおられます。 |
| 今も悲しみ、叫ぶ声が聞こえています。 |
|
| イエス様はそのすべての思いをご自分のものとされました。 |
| そうするために、神であられるお方が「人」となってこの世に来られたのです。 |
| 私達の救い主は、遠く離れて人々を眺めている神様ではありません。 |
| 人々のすべての悲しみ、苦しみをご自分のものとされるお方なのです。 |
|
| ●癒えない傷 |
| 長女はその後、極端に口数が減りました。 |
| 急に魂が抜けたように一点を見るようになり、眠れなくなりました。 |
| 体育館での出来事が頭から離れず、自分を責めてしまうのです。 |
| 次女は5年近く経つ今も震災のことをいっさい話しません。 |
| 話題を振ると拒絶します。 |
|
| 「心の傷は時間が経てば解決するものではない。放置すれば悪化することも |
| ある」と記されていました。 |
|
| たくさんの人達が心に深い傷を持ちながら生きています。 |
| 他の人達にはその傷は見えないのかもしれません。 |
| 5年経ったから、10年経ったからもう大丈夫と思っている。 |
| でもその傷は何かの折にフラッシュバックするのです。 |
| ページの上に戻る |
| ●寄り添うお方 |
| 深く深く傷ついている心に寄り添ってくださるお方がおられます。 |
| イエス様です。 |
| 世の苦しみをご自身が味わわれたイエス様ですから、わかるのです。 |
| イエス様がそっと寄り添ってくださいます。 |
|
| イザヤ書の言葉です。 |
| 「 見よ、わたしの僕、わたしが支える者を。わたしが選び、喜び迎える者を。彼 |
| の上にわたしの霊は置かれ、彼は国々の裁きを導き出す。彼は叫ばず、呼ば |
| わらず、声を巷に響かせない。傷ついた葦を折ることなく、暗くなってゆく灯心を |
| 消すことなく、裁きを導き出して、確かなものとする。 暗くなることも、傷つき果 |
| てることもない、この地に裁きを置くときまでは。島々は彼の教えを待ち望む。」 |
|
| 傷ついた葦を折ることなく、 |
| 暗くなってゆく灯心を消すこともないお方がおられます。 |
|
| イエス様が寄り添ってくださっています。 |
| |
| ●イエス様にお会いする場所 |
| あの夜天使は言いました。「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝 |
| ている乳飲み子を見つけるであろう。」 |
|
| イエス様は最も低いところ、最も貧しいところにおられます。 |
| 私達は、わたしの傷ついているところ、わたしの最も暗いところで、イエス様に |
| お会いするのです。 |
| |
| イエス様の手が傷を癒してくださいます。 |
| 暗い中にぽっと光が灯ります。 |
| 冷え切った心がほんのりとあたたかくなってきます。 |
| |
| ●民全体に |
| 「あなたがたのために救い主がお生まれになった。」 |
| この喜びは、民全体に、すべての人々に与えられている喜びです。 |
| わたしにはこの喜びは与えられていない、という人は一人もいないのです。 |
| |
| 天使は言いました。 |
| 「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つける |
| であろう。これがあなたがたへのしるしである。」 |
| すべての人の喜びとなるために、イエス様は最も低いところ、最も貧しいとこ |
| ろに生れられたのです。 |
|
| 飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子。 |
| これは羊飼い達のためだけのしるしではありません。 |
| 私達に示されているしるしです。 |
| すべての人々に示されているしるしです。 |
|
| 「救い主は最も低いところに、最も貧しい姿でおられるよ」と教えてくれている |
| のです。 |
|
| ●自分達だけでなく |
| 今、たくさんの苦しみ、悲しみが世を覆っています。 |
| 苦しんでいる人がたくさんいます。 |
| 悲しんでいる人がたくさんいます。 |
| たくさんの人達が寄り添ってくれる人を求めています。 |
| 苦しみ、悲しみから救ってくれるものを探しています。 |
|
| 私達は、自分達だけでクリスマスを喜んでいてはいけないでしょう。 |
| 喜ぶことが出来ない人達がたくさんいることを、しっかりと心に覚えていなけ |
| ればなりません。 |
|
| イエス様はすべての人々の救い主になるためにお生まれになったのです。 |
| クリスマスは、すべての人々が喜ぶ時なのです。 |
| |
| ●告げ知らせる |
| マリアとヨセフ、そして飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた羊飼 |
| いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせました。 |
|
| 私達も天使が告げた言葉を人々に話しましょう。 |
| 「あなたのために救い主がお生まれになりました。 |
| 布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子が救い主を見つけるしるし |
| です。」 |
| |
| ●結語 |
| 主イエス・キリストはすべての人々を救うために人となってこの世に生れられ |
| ました。 |
| |
| 「ありがとうございます」と感謝を献げ、主を賛美します。 |
| |
| すべての人々と一緒に、クリスマスの感謝と賛美を主に献げることが出来ま |
| すように。 |
| ページの上に戻る |