<メッセージ> |
●今年最後の礼拝 |
2014年の礼拝も今日で最後になります。 |
この一年も途切れることなくここで、毎週の礼拝が守られてきたことは、本当 |
に感謝なことです。 |
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この一年、皆それぞれに色々なところを通ってきたのでした。 |
その一つ一つの場所に、主が共にてくださいました。 |
そして今日私たちは、このようにこの場所に共に集い礼拝を献げることが |
出来ています。 |
主に感謝します。 |
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●旧約聖書 |
今年は礼拝で旧約聖書を読み始めました。 |
旧約の歴史は、新約へと向かう歴史です。 |
それは神様に従うことができない人間の歴史でもあります。 |
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罪の歴史の果てに、主イエス・キリストがこの世に来てくださいました。 |
キリストを仰ぎながら旧約を読んでいると、壮大な神様の救いのご計画に圧倒 |
されます。 |
そして、その救いのご計画の中に私達自身も置かれていることがよく分かっ |
てきます。 |
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●祝福を奪い取ったヤコブ |
先々週の礼拝では、ヤコブが父イサクをだまして、兄エサウに与えられるはず |
だった祝福を奪い取った出来事を読みました。 |
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ヤコブは祝福を得たのですから、幸いな生活が始まるはずです。 |
ところがとんでもありません。 |
怒った兄エサウは父イサクが死んだら必ずヤコブを殺してやる、と思っています。 |
母リベカはそれを知って、ヤコブに逃げるように言います。 |
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ヤコブはハランを目指して逃げ出しました。 |
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●ハラン |
ハランはもともとアブラハムが居たところでした。 |
アブラハムは神様に「あなたは生まれ故郷、父の家を離れて、わたしが示す地 |
に行きなさい。」と言われてカナンに来たのでした。 |
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ハランには残った親族達が居ました。 |
アブラハムとナホルは兄弟です。 |
ナホルの息子がベトエルです。 |
ベトエルの娘がイサクの妻となったリベカです。 |
リベカにはラバンというお兄さんが居ました。 |
ラバンはヤコブの伯父さんに当たるわけです。 |
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ヤコブはハランにいるラバンを頼りに、生まれ育った家を逃げ出したのでした。 |
これまで暮らしていた家のあるベエル・シェバからハランまでは、流山から広島 |
に行く位の距離です。 |
まだまだ先は遠いのです。 |
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●野宿 |
とある場所に来たとき、日が沈んでしまいました。 |
その場所は、ベエル・シェバから北へ、ちょうどここから小田原に行ったくらい |
のところです。 |
そこで日が沈んでしまったのでした。 |
人もいない、民家もない荒野の真っただ中です。 |
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ヤコブは仕方なくそこで一夜を過ごすことにしました。 |
その場所にあった石を一つ取って枕にして、ヤコブはその場所にごろりと横たわ |
りました。 |
あたりは真っ暗、夜の寒さが身にしみてきます。 |
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●心の思い |
たった一人で横たわるヤコブの姿は、彼の心そのままでした。 |
全くのひとりぼっちです。 |
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お父さんの家には、家族が居た、 |
暖かい寝床もあった、 |
鍋にはおいしい煮物が煮えていた、 |
毎日の仕事もあった、 |
何よりもあの家にはいつも神様が居てくださり、祝福をくださっていた・・・ |
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今自分はあの家に居られなくなって逃げ出し、真っ暗闇の中にひとり身を横た |
えている、 |
ここには神様はおられない。 |
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●夢 |
石を枕にヤコブは眠ります。 |
するとヤコブは夢を見ました。 |
先端が天まで達する階段が地に向かって伸びており、神の御使いたちがそれを |
上ったり下ったりしていました。 |
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すると主が傍らに立って言われたのです。 |
「わたしは、あなたの父祖アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが今 |
横たわっているこの土地を、あなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫は |
大地の砂粒のように多くなり、西へ、東へ、北へ、南へと広がっていくであろう。 |
地上の氏族はすべて、あなたとあなたの子孫によって祝福に入る。」 |
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これは主がアブラハムに与えられた祝福です。 |
アブラハムからイサクへと受けつがれた祝福です。 |
そしてヤコブはこの祝福を、父イサクをだまして奪い取ったのでした。 |
その祝福を、主自らが直接ヤコブに与えられたのです。 |
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「 見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを |
守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで |
決して見捨てない。」 |
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父の家には神様がおられた、 |
でももうここには神様はおられない、と思っていたのに、主はこの場所でヤコブ |
に「わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守 |
る。決して見捨てない」 |
と言われたのです。 |
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目覚めてヤコブは言います。「まことに主がこの場所におられるのに、わたしは |
知らなかった。」 |
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●証し |
この言葉は私にとって忘れることの出来ない言葉です。 |
私はこの言葉を潮来教会の説教で聞きました。 |
20年前のことです。 |
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宣教研修所、今の神学校の教師コースで学び始めて2年目に入った時のこと |
です。 |
この年は潮来教会で教会実習をすることになっていました。 |
最初の礼拝で紹介されて、その翌日母が突然亡くなりました。 |
即その日から一人になった父の世話が始まりました。 |
宣教研修所までは片道3時間近くかかります。 |
週に1〜2回は父の家に泊まり、日曜日は2時間かけて潮来教会に行く |
生活になりました。 |
すぐに行き詰まりました。 |
ぼろぼろになって、這うような気持で潮来教会に通っていました。 |
その潮来教会の説教で今日の箇所が語られたのです。 |
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「まことに主がこの場所におられるのに、わたしは知らなかった。」 |
私は、父の家には主はおられないと感じていました。 |
でも父の家にも主はおられるのです。 |
神様の慰めが、深く心にしみ込んでいきました。 |
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自分の状況や苦しさを小野慈美牧師に話すことはほとんどありませんでした。 |
私は説教で慰められたのです。 |
説教で疲れを癒され、力をいただきました。 |
説教が私を救ったのです。 |
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このことが、私が牧師として立つ原点になっています。 |
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●ベテル |
ヤコブはこの場所にも主がおられることを知りました。 |
ヤコブはこの場所をベテルと名付けました。 |
ベテルはベト-エルがくっついたものです。 |
ベトは家、エルは神という意味です。 |
ベテル−神の家 |
まさにここは、神のおられるところです。 |
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天まで達する階段を神の御使いたちが上ったり下ったりしています。 |
この場所は天につながっているのです。 |
天に行くための門です。 |
この場所から天に行くことが出来るのです。 |
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●記念碑 |
ヤコブは枕にしていた石を取り、それを記念碑として立てました。 |
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ヤコブは、さらにもっと遠くまで逃げていかなければなりません。 |
ハランははるか遠くです。 |
ハランに着いたとしても伯父さんのラバンがヤコブを受け入れてくれる保証は |
ありません。 |
ヤコブは先の見えない暗やみの中で旅を続けなければなりません。 |
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主は |
「わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、 |
必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決し |
て見捨てない。」 |
と言ってくださいました。 |
今ヤコブを支えているのは、この主の言葉だけです。 |
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ヤコブは主に答えて約束します。 |
「神がわたしと共におられ、わたしが歩むこの旅路を守り、食べ物、着る物を与 |
え、無事に父の家に帰らせてくださり、主がわたしの神となられるなら、わたし |
が記念碑として立てたこの石を神の家とし、すべて、あなたがわたしに与えら |
れるものの十分の一をささげます。 |
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石を記念碑として建てることは大切なことです。 |
この場所に主がおられると、驚き畏れ、神様がおられる喜びに生き返った心を |
持ち続けるためには、見えるかたちで記念碑を建てることは必要なことです。 |
立ち戻るべき場所が具体的に分かっていることが必要なのです。 |
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ヤコブが再び父の家に帰ることが出来たのは20年後でした。 |
20年の間には色々なことが起こりました。 |
ヤコブは何度も何度も、ここには主はおられないと思ったことでしょう。 |
そのたびにベテルに建てた石の記念碑を思い出したはずです。 |
すると、主がしてくださった約束が、はっきりと心の内によみがえったことでし |
ょう。 |
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●私達 |
私達は、ここには主はおられないと思うような状況に陥ることがあります。 |
今まさにそのような状況におられるかもしれません。 |
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真っ暗闇の中で一人石を枕にして寝ているような状態です。 |
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でもその場所に、主がおられるのです。 |
その場所から、天に上ることが出来るのです。 |
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ここには主はおられないと思っている私達の傍らに主は立ってくださいます。 |
そして言ってくださいます。 |
「わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、 |
決して見捨てない。」 |
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私達は言います、 |
「まことに主がこの場所におられるのに、わたしは知らなかった。」 |
驚き、感謝、喜び、安心があふれてきます。 |
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●結語 |
ここには主はおられないと思う現実の中にも、主は居てくださいます。 |
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私達がどこに行っても、どんな状態になっても、主は共にいてくださいます。 |
守っていてくださいます。 |
決して見捨てることをなさいません。 |
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私達が今生きているそれぞれの場所は、主がおられる場所です。 |
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